犬や猫にも口内炎ができるって知っていますか?

口内炎といえば…
そう、あのしみる痛いやつです。
人間の口内炎の主な原因は、免疫力の低下、ストレス・疲労、栄養不足、物理的な刺激や
口腔内の乾燥など、複数の要因が複雑に絡み合って発生すると言われています。
人間にもあるということは……はい、犬や猫にも口内炎はできます。
ただし、犬や猫の口内炎は、人間によくみられる一般的な口内炎とは、原因や経過、治療方法が大きく異なることがあります。
犬や猫の口内炎は、強い痛みを伴い、食事が十分にとれなくなることもあります。
また、原因によっては長期的な治療が必要となり、全身の健康への影響や、命を脅かすこともあるため、注意が必要です。
猫の口内炎
猫の口内炎には、外傷によるものや、全身性疾患に伴って起こるもの、感染症など、さまざまな原因があります。
その中でも、猫で特徴的にみられる病気のひとつに、「慢性歯肉口内炎( FCGS :Feline Chronic Gingivostomatitis)」があります。
この病気では、歯ぐきだけでなく、頬の内側や舌の縁、喉奥など広範囲に強い炎症が起こり、赤みや腫れ、潰瘍などがみられます。

発症率は報告によりばらつきがありますが約0.7~12%、診断時の平均年齢は約5~8歳と報告されていますが、より若齢での発症も多く経験しています。
原因
直接的な原因は完全には解明されていません。
口腔内細菌やウイルス、口腔内環境、免疫反応など、複数の要因が関係する多因子性の疾患と考えられています。
中でも、歯垢(プラーク)に含まれる細菌などに対して過剰な免疫反応が起こることが、炎症の発症や持続に関係していると考えられています。
主な症状
・口の粘膜に強い赤み・腫れ・潰瘍がみられる
・よだれが増える
・強い口臭
・食べにくそうにする
・口を気にする、口を触られるのを嫌がる
・食欲低下、体重減少
治療
単に「炎症を抑える薬を飲めば治る」という病気ではありません。
内科治療によって症状が一時的に改善することもありますが、薬だけでは長期的なコントロールが難しい症例も少なくありません。
また、長期間にわたって薬を使用する場合には、副作用についても考慮する必要があります。
そこで、治療の中心となるのが、抜歯を含めた口腔外科治療です。
これは、口腔内のプラークなどに含まれる抗原刺激を減らし、過剰な免疫反応を抑えることを目的としています。
慢性歯肉口内炎の猫では、ちょっとしたプラークでさえも過剰免疫の原因となってしまいます。
毎ご飯後に歯磨きができればクリーニングのみの選択肢もとれるかもしれませんが、現実的には難しいことが多いため、プラークの形成・付着をさせないために抜歯が選択されます。
外科治療によってすべての猫が治るわけではありませんが、多くの症例で長期的な改善を期待できる治療法として、推奨されています。

犬の口内炎
犬の口内炎にも、外傷性のものや、腎不全などの全身性疾患に伴うもの、感染性、免疫介在性のものなど、さまざまな原因があります。
その中でも特徴的な疾患の一つが、犬慢性潰瘍性口内炎(CCUS:Canine Chronic Ulcerative Stomatitis)です。
CCUSは、歯に付着したプラークなどに対する過剰な免疫反応が関係していると考えられています。
歯ぐきだけでなく頬の粘膜や舌の縁などに強い炎症や潰瘍、びらんを引き起こす疾患です。

症状は、歯周病や猫の慢性歯肉口内炎と似ており、強い痛みによって食事が困難になることもあります。
治療では、歯垢・歯石を可能な限り除去する必要があるため、まずはスケーリングと日常的な口腔ケアが重要です。
ただし、炎症の程度や歯の状態によっては、問題となっている歯や、より広範囲の歯の抜歯が必要になることもあります。
また、症例によっては、炎症を抑えるための薬物療法などを組み合わせて治療を行います。
最後に
犬や猫は、口の中に強い痛みがあっても、それを言葉で伝えることができません。
「食べるのが遅くなった」「食べこぼしが増えた」「よだれや口臭が気になる」「口の周りを触られるのを嫌がる」など、普段とは違う様子がみられたら、口の中に問題が起きているサインかもしれません。
口内炎は、痛みだけでなく、食事や日常生活にも大きな影響を及ぼす病気です。
気になる症状がある場合は、様子を見続けず、早めに動物病院へご相談ください。
遠藤蓮太郎





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