てんかん発作が起きてしまった時、何ができるか
前回の続きで、今回はてんかん発作時の対応と、緊急薬についてです。

発作中にやってはいけないこと
特に意識障害のある発作では、『手を出してはいけません』。
特に口周りや口の中に手を入れるのは御法度です。
人の方が大ケガをする危険性があります。
よく「人間は本来のパワーを半分も使ってない」なんて言いますが、発作中は100%パワー全開で全身が活動しています。かつ動物たちは何が何だかわかっていない状態です。
その様な状況で手が動物の口に挟まれてしまうと、大ケガする可能性があります。
てんかん発作は基本的に自然に終息するものなので、静かに見守りましょう。
発作が起きそうな時・起きるのがわかる時
てんかん動物の中にはときどき、オーナーさんが気付くような発作の前触れの症状(前駆徴候)を示す子がいます。
不安がってすり寄ってくる
どこかに隠れてしまう
怒り出す(この場合は既に発作が始まっている場合がありますので要注意)
このような前駆徴候がある場合で、かつ意識がまだしっかりとしているのなら、優しく声がけしたり、抱き上げて愛撫してあげたりしてみましょう。
それだけで発作に至らずに終わることもあります。
逆にこの様な時に脅かしたり、叱ったり、大きな音を立てたりなど、興奮させるようなことは避けましょう。
またそのようになる時に共通点がないか探してみましょう。
発作が終わったら
本人が自ら動き出したり、目がしっかり合うようになるまで、静かに見守りましょう。
意識がはっきりと戻ってから、うまく立てなかったり、ふらついてぶつかったりするときは介助したり、なだめたりしてあげましょう。
発作後は体温が上昇していることがあります。
発作後にハァハァいっていたりする場合は水を含んだタオルや水枕などで冷やしてあげましょう。
時々、発作直後にまだふらついているのに暴飲暴食する子がいますが(発作後徴候)、誤嚥する危険性があるため、あまり良いことではありません。
なので、きちんと意識や足下がしっかりするまでは、食事やお水のお皿は下げておきましょう。
また、忘れないうちにカレンダーやメモ,てんかん日記などをつけましょう
初めての発作時、あるいは後述する群発発作や発作重積の際は、病院に連絡して指示を仰いでください。
緊急薬について
抗てんかん薬を毎日飲ませていても、てんかん発作を起こしてしまうことがあります。
1〜2分ほどの短い発作で、その後も続けて発作を起こさなければ、とりあえずはご自宅で様子を見て頂いて大丈夫ですが、「群発発作」や「発作重積」を起こしてしまった場合には緊急処置が必要です。
下記の①〜③に該当する発作を起こしてしまった時には、噴霧器を使用してお薬を鼻の中に投与して下さい。
1回の発作が5分以上続く場合(発作重積)
発作が終わっても意識が戻らず、続けて2回目の発作が起こる場合(発作重積)
24時間以内に2回以上てんかん発作が起こる場合(群発発作)
以前は坐薬が使用されていましたが、近年は鼻腔内噴霧が坐薬よりも即効性・有効性があり、血管注射と同等の効果を示すことが報告されています。
~鼻腔内噴霧投与の方法~
注射器のキャップをとります
下の図のように注射器に噴霧器を取り付けます

噴霧器の先端を動物の鼻の中に押し込みます
先端を鼻の中に押し込んだまま注射器を勢いよく押すと、鼻の中にお薬が霧状に噴霧されます
使用した噴霧器および注射器はご自宅で処分せず、受診時にスタッフに渡してください。

鼻腔内噴霧投与を行なっても発作が止まらない場合や、繰り返し発作を起こしてしまう場合には動物病院へ連絡して下さい。
てんかん発作は、特に初めて遭遇される場合は非常に驚かれると思いますし、パニックになってしまうと思います。
しかし、そんな時だからこそいつも以上に冷静に対応してあげることが、動物たちのためにもなります。
何度も頭の中でイメージトレーニングをし、いざという時に対処できる様にしておきましょう。
遠藤蓮太郎




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